旧スプリアス規格の無線機をお使いのお客様へ
旧スプリアス規格の無線設備が使えなくなります。
無線機を日ごろからご利用の方の中には、「旧スプリアス規格の無線機が使えなくなる」という話を聞かれたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それって結局どうなったの?自分の無線機はどうだっけ?どんな手続きをすればよいの?という疑問にお答えします。
スプリアス規格とは?
「スプリアス」とは、無線設備によって発出される電波のうち、所定の周波数から外れた電波のことです。この電波は通信に不要な電波であり、ほかの機器や通信の障害になり得ます。そのため、電波法によって強度が規定されていて、この規格のことをスプリアス規格と言います。
スプリアス規格の改正
世界無線通信会議(WRC)において、無線設備のスプリアス発射の強度に関する無線通信規則(PR)の改正が行われました。
この背景としては、情報通信の需要が高まったこと、無線システムの技術向上などがあります。
これまで以上に不要な電波を低減し、より効率的に電波を使用する必要が出てきたということです。
この国際的な規則の改正を受け、2005年に日本でも法令の改正が行われ、新たな規格が適用されました。これにより、2005年12月1日の改正前のものは旧スプリアス規格、改正後のものは新スプリアス規格と呼ばれています。
旧スプリアス規格を使うことへの罰則
旧スプリアス規格のもとで製造された無線機器は使い続けることはできません。使用した場合は電波法違反となり、罰則の対象となります。
このため、適切な新スプリアス規格への対応、変更などが必要になります。
どんな手続きが必要なの?
機器の更新に合わせた買い換え
今お使いの無線機器の免許を更新される際、新スプリアス規格に適合した無線機器に買い替える、という方法です。
総合通信局に変更申請または変更届のご提出が必要です。なお、危機によっては変更検査が必要となることもあります。
送信機出力端子と空中線との間にフィルタを挿入
無線機器の出力端子にフィルタを挿入し、新スプリアス規格に適合させる方法です。
手続きとしては、総合通信局に変更申請を提出し、許可後、その無線機器のスプリアスを測定。工事完了届にスプリアス発射及び不要発射の強度確認届出書を添えて提出します。
実力値の測定
現在使用している無線機器のスプリアスを測定し、新スプリアス規格に適合することを確認する方法です。
測定データを届出書に記載の上、総合通信局へ提出します。
製造業者などが測定したデータの活用
製造業者又は製造事業者を構成員とする団体の測定データにより新スプリアス規格に適合することが確認された無線機器は、総務省HPで公表されます。これに該当する機器は測定は不要です。
この場合、届出書の(1)対象局の欄のみ記載し、総合通信局へ提出して完了となります。
※詳細は総務省HPを参照ください
いつまでに対応が必要なの?
法令改正当時、新スプリアス規格への変更は2022年11月30日までに変更が必須となっていました。
しかし、新型コロナウイルスなどの影響もあり、ほかの通信機器の運用に妨害を与えないものに限っては、変更期限は「当分の間延長」とされ、まだ具体的な期限は定められていません。
ただし、これは社会的状況からの一時的措置となりますので、お早めの対応をおすすめいたします。
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